北海道で生まれ育ち、幼い頃から宇宙に関心があって北海道大学理学部地球惑星科学科に入学しました。そこでは化石から隕石まで、マントルから宇宙までと、時間的にも空間的にも壮大な領域の地学全般を学びました。卒業後は大学院修士課程の環境科学院地球圏科学専攻に進学します。大学院まで進んだ理由は、大きく2点あります。1点目は、知的好奇心があったこと。2点目は、その学問を追求することで出会う人が変わり、人生の選択肢が増えることへの期待があったことです。選んだ研究室のテーマは大気化学。その研究室には外国人留学生しかおらず、そんな環境に魅かれたことが動機になりました。
手掛けたのは、大気中に含まれるエアロゾル状の酸性物質を分析し、有害な酸性雨などの原因物質がどこから発生しているのかを探る研究です。そう聞くと、大気汚染を連想する人がとても多いのですが、実は森林から発生しているものもあるのです。こうした新たな知見が得られるところが非常に面白かったですね。