AMS Planning, Inc.は北大発認定スタートアップ企業です

京都大学と共同研究契約を締結

-神経内分泌腫瘍の治療戦略を高度化する68Ga-DOTATOCの薬事承認を目指す-

2023 年 3 月 7 日

【概要】

AMS企画株式会社(本社:東京都港区、以下「AMS」)と京都大学は、「ソマトスタチン受容体標的PET診断68Ga-DOTATOCの薬事承認取得に関する共同研究契約」を締結いたしました。

【背景】

京都大学では2011年より、主に神経内分泌腫瘍患者を対象としてソマトスタチン受容体に高い親和性をもつ68Ga-DOTATOCを用いたPET/CT検査の臨床研究を行っており、神経内分泌腫瘍の病変検索、腫瘍性骨軟化症の原因となる間葉系腫瘍の局在同定等における臨床的有用性を発表するなど、この分野をリードしています。また、京都大学医学部附属病院では、日本ではまだ保険診療となっていない68Ga-DOTATOC PET/CT 検査 を2021年7月から自費診療にて提供し、臨床データに基づく多くの知見を有しています。 AMSは北大発核医学ベンチャーとして、独ITM Isotopen Technologien München AG社とのパートナーシップに基づき、2019年より前立腺特異的膜抗原標的PET診断薬68Ga-PSMAの開発に取り組んでおり、海外で医薬品として承認されたPET薬剤を我が国で医療機器(合成装置)として薬事申請するための実務経験を有しています。

【詳細】

このたび、AMSと京都大学は、それぞれの持つ知見や技術等を融合して、68Ga-DOTATOC 自動合成装置の薬事承認(医療機器)を目指すことで合意いたしました。 神経内分泌腫瘍については、核医学治療薬177Lu-DOTATATEが放射性医薬品「ルタテラ®静注」(一般名:ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu))として2021年6月23日に製造販売承認、8月12日に薬価収載、9月29日に販売開始され、臨床現場に普及しつつあります。神経内分泌腫瘍に対する核医学的画像診断法としては、 111In 標識の SPECT 製剤(インジウムペンテトレオチド、商品名オクトレオスキャン)が承認され保険診療として行われていますが、すでに欧米では、核医学診断薬68Ga-DOTATOCが「TOCscan®」(68Ga-Edotreotide)として販売承認され、68Ga標識製剤によるPET検査が主流となり、我が国においても68Ga-DOTATOCを用いたPET/CT、PET/MRI診断を行うことによって、腫瘍病巣の同定や177Lu-DOTATATE治療に向けた効果予測等がより的確に行えるものと期待されます。

本共同研究では、薬事承認に向けた第一段階として、院内製造法の確立、PMDA相談などを行います。

【研究体制】

〇京都大学
研究代表者:
 京都大学大学院医学研究科 画像診断・核医学・教授 中本 裕士
研究担当者:
 京都大学医学部附属病院 放射線部・講師 志水 陽一
〇AMS
研究代表者:
 AMS企画株式会社 代表取締役社長 菅原 雄一郎
研究担当者:
 AMS企画株式会社 核医学技術室長 鷲野 弘明